樂美術館の場所からわかる千利休との関係性

2018.09.03

安土桃山時代、千利休は自らの工夫を加えたお茶碗の制作に取り掛かります。 そのお茶碗は「今焼」と呼ばれ、前衛的なお茶碗となっていきました。 その千利休の工夫を引き受けたお茶碗を作った樂家。 京都には樂家の美術館樂美術館があります。 京都上京区の樂美術館の場所からわかる歴史について紹介します。

樂美術館の場所は千利休屋敷跡のすぐ近く

樂美術館の場所は京都御所中立売門から西へ8分程歩くとあります。 樂美術館から西北に5分程歩くと千利休屋敷跡のある晴明神社が鎮座します。 樂家と千利休宅は5分程で行き来ができたことがわかります。 また、表千家不審庵までは徒歩で14分。 武者小路千家に至っては徒歩5分で樂美術館の場所まで行くことができます。 千利休のこだわりは5分先の樂家当主へすぐに連絡されたのでしょうか。 人と人が交流できる距離にいたことが茶の湯の発展とも関係があるかもしれません。 ちなみに本阿弥光悦屋敷跡は表千家不審庵と武者小路千家官休庵の中間に所在しました。

ちなみに、樂美術館の場所は京都御所の西側のエリアです。 JR京都駅から樂美術館へは地下鉄今出川まで行くのが便利です。

歴代樂家の作品

樂美術館では樂家歴代当主の作品が展示されています。 (展覧内容によってはない可能性があります) お茶碗は当主によって雰囲気が違います。 お茶の先生に、教えてもらったことがあります。 作品は作者の「その時」が表現されていると。 作者は同じレベルの物を作り続けるわけではありません。 作者にも喜怒哀楽や調子の良し悪しもあるでしょう。 齢と共に感性や知識も時代も変わってきます。 作品として残っているのはそのうちの良い時の物であると。 その一瞬の輝きを我々が感じ取る必要があるのですね。 歴代当主も様々な人生があったように思います。 また、手の大きさや感覚が違うでしょう。 そのような視点でお茶碗を見るといつも以上に楽しく拝見できました。 お茶の先生に感謝です。

樂美術館の入館料

樂美術館の入館料は年間4回の展覧会ごとに変わります。 今回は7月に訪ねました。 樂美術館の入館料はおおよそ900円~1500円ぐらいのようです。 樂美術館の入館料が変わるのは公立ではないので展覧会の企画が変わるからです。 公立ではない分、企画は自由に組むことができるようです。 樂美術館の展覧を楽しみにしている方多いんですよ。 京都にお越しの際には、樂美術館にも足を運んでみてください。 きっといつもと違った京都の魅力が見えるでしょう。 樂美術館を訪ねました。


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